事 業:調剤薬局運営、介護事業所運営、福祉用品販売業
資本金:600万円
従業員:男性19名・女性55名
住 所:〒996-0035 山形県新庄市鉄砲町7-27
電 話:0233-28-7556
ウェブ:www.kaisei-company.com
健康と幸福を届ける事業で恩返しを
~地域の介護ニーズに応えたサービスを展開~
代表取締役 薬剤師 中沼 仁さん
●どのような事業を行っていますか
当社は、最上地域の方々の健康と幸福をお守りしたいとの願いを理念に掲げて、調剤薬局や福祉用具の販売を手掛けるメディカルケアとヘルスケア、
また、各種介護サービスを提供するヘルパーケアの2部門で8種の事業を展開しています。
●起業された経緯をお聞かせ下さい
私は、金山町の生まれで、東京の大学で薬学を学びました。
学生の頃には、講義で教わる西洋の近代薬学だけでなく、漢方にも興味を持ち、漢方薬局に通って学びました。
卒業後は、鍼灸の専門学校に通いながら漢方を中心に仕事をしていましたが、1990年に地元の金山にUターンしました。
その時に、実家の隣に薬局と鍼灸治療院を開業したのが、当社の事業のスタートです。
2年後に新庄のスーパーマーケット店舗内に薬局を開いた後、尾花沢市や村山市にも開設しました。
●薬局から始められたのですね
はい。しかし、当時は病院内での処方から院外処方へと大きく変化し始めた頃でした。
その時流に合わせて薬局から調剤薬局へと切り替えていきました。
その頃、認知症の親をもつ従業員から、家庭での介護と仕事の両立への相談を受けたことが契機となり、介護事業を始めることにしました。
●従業員のために新規事業を
そうです。せっかく当社に勤めてくれている方が辞めてしまうのはもったいないことでしたので、それならうちの会社の業務にしようと、思いきって始めました。
しかし、始めた当初はなかなかお客様が来てくれませんでした。
よく考えると、お年寄りには医療機関に来る移動手段がないことに気づいて、介護タクシーの事業を始めたのです。
その後は訪問介護、居宅介護支援やデイサービス、訪問入浴、有料老人ホームと次々にニーズが増え、それに応えるかたちで事業を拡大して今に至ります。
●事業を振り返ることで新たなニーズを見つけておられるのですね
はい。自らの事業を見直すたびに周りの方々から良いきっかけをいただけました。
また、常に何かしらの縁でいろいろな方に助けられたことがつながって、今までやって来れたと思っています。
当社の事業を通して健康や幸福を守りたいという社是(経営方針)は、今まで助けてくれた方々やこの最上地域へ恩返ししたいという気持ちの表れです。
●縁に恵まれるコツは何でしょう
特に思い当たることは何もありませんが、心がけているのは紹介や助言をいただいた時に、素直にありがたいと思う感謝の気持ちです。
●東京のくらしはいかがでしたか
東京には10年ほどおりました。確かに都会は便利ですが、私には水が合わないという感じを受けました。
第一、空気も水も最上の方が美味いですよ(笑)。
そのためか、東京で暮らし始めてすぐに、どうすれば故郷に戻れるかばかりを考えていた気がします。
Uターンして、自分で仕事を始めるには、たくさんの知識や技術を身に着けなければいけないと、懸命に頑張りました。
働きながら、専門学校には大病を患い体がフラフラした状態で通いましたが、とにかく学ぼうと必死でしたね。
当時、あの状態でもやり通せたことを思い出せば、その後の苦労など大したことがないと感じます。
●今の若者のイメージは
なんとなくおとなしい感じがします。
昔の若者のようにガツガツと何でもやってやろうというハングリー精神を、もっと持っても良いと思いますね。
自分の目標にがむしゃらに打ち込むとか、夢中になってぶつかっていくという、良い意味での無鉄砲さでしょうか。
絶対にやり遂げたいという目標を見つけて、体ごとぶつかっていけるのは、やはり若者の特権ですから。