事 業:製造業・社会福祉事業
資本金:800万円
従業員:男性約200名・女性約200名
住 所:〒996-0001山形県新庄市五日町字清水川1303番地3ユニオン五日町ビル3F
電 話:0233-29-3651 (本社)
ウェブ:www.unionsocialsystem.com
障がい者の幸福と社会に尽力したい
~就労支援をはじめ多様な障がい者福祉事業を展開~
代表取締役 加藤秀幸さん
●創業の経緯を教えてください
会社の創業は1984年で、以前は衣料品卸業を手掛けていました。
その後、時代とともに衣料業界全体が伸び悩み、試行錯誤していた時期に、知り合いから高齢者介護施設をこれからの事業として考えてみたらとアドバイスをいただきました。
その当時は、社会福祉法人以外に民間の営利企業も運営が可能となった時期でもありました。
それ以来、介護事業に興味を持ち、まずは新庄に高齢者介護センターを開設したのが、当社が福祉事業を始めた経緯です。
また、その頃に、障がい者を対象とした事業所を運営している方から、新庄最上地域は障がい者向けの支援施設が少ないという話をうかがい、それなら当社でやってみようということになりました。
●高齢者介護と障がい者支援の事業を始められたのですね
はい。その当時は、新庄市内でも民間の高齢者福祉施設は多くなかったのですが、15年ほど経つと、たくさんでき始め、それを機に障がい者福祉に専念することにしました。
それが、障がいをお持ちの方を雇用し、生活支援と一般企業への就労支援の機能を兼ね備えた、障がい者就労継続支援型の事業所を立ち上げたきっかけです。
現在では、就労支援型だけでなく、生活支援を主目的としたグループホームも複数運営しておりますし、新庄最上地域だけでなく、楯岡や東根、河北にも開設しております。
●障がい者支援のニーズは
当社が事業所を開設して半年ほど経った頃、ニーズはかなりあると感じました。それはいまでも変わらないと思います
●運営の難しさはどんな点ですか
就労支援を目的のひとづとして、障がいをお持ちの方を雇用し従業員として働いてもらっています。働きながら、企業に勤めることを体験し、作業のスキルなどを身に付けてもらいます。
その中で、一般企業への就労を希望する従業員には、当社のスタッフがそのサポートとケアを行っています。
経営者として大変な点は、事業所として従業員の人たちにどのような仕事をしてもらうのか、その内容を考えることですね。
一口に障がいといっても、人それぞれに異なりますし、どのような能力を持ち、どんな生活を送りたいかも人それぞれです。その一方で、事業体として雇用していますので、きちんと給与を支払うために収益も上げなければなりません。
その両面から、どのような仕事を手掛けたらよいのかと大変悩みました。
●具体的にはどのような仕事を
現在では、硬式野球ボールの再生を行っています。
野球ボールは芯に糸を巻き付けたものを牛革で包み縫い合わせることで出来ています。
それが試合や練習によって次第に傷むのですが、その表皮や糸を取り換えることによって、練習球として再び使えるようになるのです。
当社は、主に高校野球のチームから再生の依頼を受けています。
現在では、国内の全ての都道府県の高等学校から傷んだボールが届いていますよ。
高校野球の試合中継で、当社のボールを練習でお使いのチームが出るたびに嬉しさを感じますし、応援してしまいますね(笑)。
●今後のビジョンをお聞かせ下さい
障がい者福祉は、対象年齢層が大変に広く、また持っている障がいもそれぞれ異なります。
事業者としてひとつのサービスの形をとりながら、人それぞれに異なるケースのすべてに満足していただくのはとても難しいことです。
ゴールがないというのが福祉の本質なのかもしれません。
当社としては、経営や施設管理をより良い形にすることで利用者に満足していただきたいですし、再生ボール事業、また一般企業への就労支援活動を通して、もっと社会の役に立っていきたいと考えています。