苦痛の少ないラクラク経鼻(けいび)内視鏡
当院では新庄・最上地区では初めて、2007年1月、細経鼻内視鏡(オリンパス社製XP260N)と、早期ガンの発見に威力を発揮するNBI内視鏡システムを導入しました。
鼻から入れるとなぜゲーゲーしないの?
口から入れる従来の「経口内視鏡」はノドを通るときにどうしても、嘔吐反射を起こしてしまう部位にカメラが当たってしまいます。
ノドに指を突っ込むとゲーゲーしてしまうのと同じ反射です。
ところが経鼻内視鏡では、嘔吐反射を引き起こす部位を通りません。
このため吐き気が起こりにくく、ラクに検査をすることができるのです。
上は実際のファイバーです。
どうです?私の指と比べて撮影しましたが、直径5mmのファイバーは鉛筆より細いんですよ!
もちろん、こんなに細くてもライトもついているし、生検鉗子を通す穴もあるし、水や空気を通す穴も開いているのは通常の内視鏡と何ら変わりはありません。
「ケイビ」なら検査中に会話ができる!
経鼻内視鏡のスゴイ所はもう一つあります。
みなさんは胃カメラ中にドクターに何か伝えたくても会話ができないので、もどかしい思いや、不安な思いをした事はありませんか?
経鼻だと、検査中に会話もできるようになるので、施行医と話をしながらリラックスした気持ちで安心して検査を受けることができます。
同じ検査ならラクに受けたいものですよね。
内視鏡検査で以前大変苦しい思いをされ、もう2度とやりたくないと思っている方、異次元ワールドのラクラク検査をぜひご体感下さい!
院長自作の患者さん専用モニタ
当院では、患者さんも検査中に所見を見られるように、枕元に液晶のサブモニターを設置しております。
これは、院長が車のナビ用の小型液晶を改造して取り付けた自作品です。
これを見ながら患者さんは、「あそこの赤い所は何ですか?」などとリアルタイムに会話をしながら検査を受けることができます。
検査が終わると、もう一度、大画面の液晶モニターで検査結果の画像を表示しながら詳しく説明をします。
また、プリントアウトした写真もお渡ししております。
従来通りの経口内視鏡も可能です
なお、鼻からの挿入がどうしてもいやな方、鼻の内腔が狭く、挿入困難な方(女性で小顔の方に多いです)は従来通り口から挿入することもできます。
この場合でも今までの太いファイバーに比べると驚くほどラクです。
魔法のミラクル内視鏡? NBI内視鏡
また、最近話題のNBI内視鏡について簡単に説明します。
胃や大腸の粘膜に、特殊な波長の光を当てて観察すると、粘膜の下の血管の走行や形態が透過されて見えるようになります。
腫瘍の血管は正常な粘膜の血管と構造が大きく異なります。
この違いを内視鏡で観察することで、これまで見逃してしまうような極小のガンを早期に発見することができる、画期的なシステムです。
特に食道下部は食道癌の多発部位ですが、ここは従来早期ガンを見つけにくい場所でした。
ここをNBIで観察すると病変部が黒く浮き上がって見えるのです!
上の写真は当院で発見された早期食道癌の一例です。
4つの写真の中で左上の一枚が普通の光でみた画像です。
この中にガンが写っているのですが、どこだかわかりにくいです。
他の緑色がかった画像がNBIの光を当てて見た実際の画像です。
周囲に比べ、真ん中に黒っぽく写っている部分がガンの範囲です。
どうです? すごいでしょう!
また大腸癌において、隆起に乏しい平坦型の早期癌は従来の内視鏡では周囲粘膜との見分けが難しい疾患でしたが、この特殊な光で観察することで、飛躍的に診断能力が向上します。
私にとっては内視鏡医としてのレベルがワンランクアップしたかのような錯覚すら覚えます(^^;)
どうせ検査を受けるなら、ラクに受けられて、かつ確実に病変を見つけられる医療機関が良いですね。
なお、新システム導入に伴い、内視鏡検査の予約が殺到し、現在かなりの期間、お待ちいただいている状況です。
緊急性の高い検査はなるべく早急に行うようにしておりますが、検査ご希望の方はお早めにお申し込み下さい。