◎爪水虫は農家の職業病?

当院は緑豊かな田園地帯に位置しているため、患者さんも農家の方が大部分です。
私は内科医ですが、患者さんの健康状態を見るために爪もよく観察します。
すると、農家の方の驚くほど大多数が爪みずむしを持っている事に気が付きました。

農作業は長時間、ゴム長グツを履きっぱなしの事が多いです。
長時間蒸れた長グツの中は爪みずむしの原因である白癬菌(はくせんきん)が育つのにちょうど良い、温室のような環境になっています。
このことから、爪みずむしは農家の方や、外で長時間作業をする方(土木・建設業など)の職業病の一つだと言えるのではないかと思っております。

爪みずむしは爪の奥深くに食い込みます
onychomycosis1.jpg
この写真は、当院の爪水虫の患者さまの足を御本人の承諾を得て撮影したものです。
爪全体が厚くなり、白く濁り、先端はボロボロになっており、爪みずむしに特徴的な所見です。

こうなってしまうと、市販の塗り薬はもちろん、病院で処方する塗り薬を塗っても完全に直すのは非常に難しいのです。
なぜなら、白癬菌が爪の奥深くに入り込んでいるため、塗り薬を塗っても薬の成分が奥深くまで浸透しないのです。

爪みずむしは飲み薬で治ります
こうした頑固な爪みずむしも新しいタイプの抗真菌薬により、きれいに治すことが可能になりました。
とは言ってもきれいに治すのには時間がかかります。飲み薬を飲み始めて1~2ヶ月経過すると、爪の根本から透明なきれいな爪が生えてきます。

およそ6ヶ月から一年(爪の成長速度によって差があります)ですべてきれいな爪に生え変われば治療終了です。
これまで人前で素足を出すのをためらわれていた方も、思い切ってご相談下さい!


◎パルス療法と継続療法

当院では最新の治療法として「パルス療法」を採用しております。
これは月に1回、7日間だけお薬を連続して飲んでいただき、その後は休薬し、また1ヶ月後に7日間服用する、という事を繰り返していく治療法です。
休薬期間中は体内や血液中のお薬の成分はすみやかに消失していきますが、爪の内部にはしっかり残ります。

これにより、体への影響を最小限に押さえながら(もともと副作用の少ない薬ですが)爪自体にはしっかり薬のキキメがキープされるという画期的な治療法なのです!
また、毎日お薬を飲む、従来通りの「継続療法」も行っております。
どちらを選ぶかは診察時に相談して決定させていただいております。


◎薬を長く飲んでいても大丈夫なの?

半年から一年も薬を飲み続けると聞いて、心配な方もいらっしゃると思います。
当院で使用している抗真菌薬は副作用の比較的少ないタイプではありますが、念のため治療開始して間もなく、血液検査を行い臓器障害が起こってないかどうかチェックを行います。
また、定期的に血液検査を行い、万一の副作用発現時にも早期に発見します。
ご参考までに、現在までに多数の患者さんを治療いたしましたが、副作用のために服用を中止された患者さんは当院では一人もおりません。
また、一部の高脂血症治療薬や睡眠薬など、一部の薬とは相互作用のため併用できませんので、初診時に現在服用中のお薬をお聞きします。

また腎臓や肝臓などの臓器に障害がある方はお申し出下さい。
普段から飲んでいるお薬があれば、受診時に薬品名をお知らせ下さい。


◎日常生活で気を付けるポイントは?


・水虫菌(白癬菌)はジメジメしていて暖かい場所が大好き。足のまわりはいつも乾燥した環境に保っておくことが大切です。
・でも農作業など、どうしても長時間長靴を履いたりしてしまう場合もありますよね。長靴を脱いだら、すぐに足を洗ってきれいなタオルでよく拭きましょう。長靴は定期的に洗ってよく乾燥させましょう。
・家族でかかっている人がいたら一緒に治しましょう。せっかく治しても家族内で感染しまた再発してしまいます。
・家庭内のスリッパ・浴室のバスマットは定期的に洗濯していますか?感染の隠れた温床です。マットを濡れたままで敷きっぱなしにするのは禁物です。


◎足だけではない白癬菌が引き起こす病気


一番ポピュラーなのが足の指と指の間の部分の皮膚が白くふやけたようになり、かゆくてたまらないという趾間型の足白癬です。
でもこれ以外にも体のあちこちに悪さを起こすのが白癬菌なのです。

足白癬(小水疱型、汗疱型)
梅雨時に多いタイプ。足の裏や側面に強いかゆみを伴う水疱(まわりが赤い)が多発します。
放置すると周囲にどんどん水疱が広がっていきます。

足白癬(角質増殖型)
足の裏、特にかかとの部分の角質が厚くなり、ザラザラになって皮がむけていきます。

体部白癬(ゼニタムシ)
当院でよく見かけるのは、肥満タイプの高齢の女性が、乳房が垂れ下がって腹部の皮膚と常に密着した部分が赤くかゆくなる症例です。
湿疹と見誤り、ステロイド剤を塗布し、かえって悪化してしまうこともあります。
この場合は飲み薬を飲まなくても抗真菌剤の塗り薬を塗るだけで軽快します。

また、農家の方で農作業にゴム手袋を長時間はめる方は、手にも水虫が出来る事が多いようです。

頭部白癬(シラクモ)
帽子やヘルメットをかぶる事の多い方で、頭がかゆく、フケが異様に多い方、これもカビのしわざかもしれません。

あてはまると思われる方は、医療機関を一度受診することをお勧めします。

スマートフォンでご覧の方は
下の電話番号をタップして↓↓↓当院に電話をかけられます。

お知らせ

令和6年度インフルエンザ予防接種について

2024-10-01

当院では10月1日よりインフルエンザ予防接種を実施しております。 特に予約は不要です。(予約、取り置きはできません) 在庫がなく...

2024年8月 お盆・新庄まつり期間中の診療について

2024-07-31

...

令和5年度インフルエンザワクチン接種について

2023-10-06

  当院では10月1日よりインフルエンザ予防接種を実施しております。 特に予約は不要です。(予約、取り置きはできません...

年末年始の診療体制について

2022-12-23

2022年度の年末年始の診療体制について、お知らせ致します。 来年もこくの医院をよろしくお願いいたします。 ...

11月22日午後の臨時休診のお知らせ

2022-11-21

令和4年11月22日(火)の午後は都合により臨時休診といたします。午前は通常通り診療いたします。 患者様にはご不便をお掛けいたしますが...

令和4年度インフルエンザワクチン接種について

2022-10-01

当院では10月1日よりインフルエンザ予防接種を実施しております。 特に予約は不要です。(予約、取り置きはできません) 在庫がなく...

2022年8月 お盆・新庄まつり期間中の診療について

2022-08-08

2022年8月のお盆および新庄まつり期間中の診療についてご案内いたします。 患者様には御迷惑をおかけしますが、何とぞよろしくお願いいた...

年末年始の診療体制について

2021-12-13

2021年度の年末年始の診療体制について、お知らせし致します。 来年もこくの医院をよろしくお願いいたします。 ...

マイナンバーカードが健康保険証として使えるようになりました

2021-10-20

2021年10月より、当院でもマイナンバーカードが健康保険証として使えるようになりました。 健康保険証を持ち歩かなくとも、マイナンバー...

令和3年度インフルエンザワクチン接種について

2021-10-08

当院では10月1日よりインフルエンザ予防接種を実施しております。 特に予約は不要です。(予約、取り置きはできません) 例年に比べ...

スマートフォンでご覧の方は
下の電話番号をタップして↓↓↓当院に電話をかけられます。